中国と台湾ってどんな関係?
香港とマカオって本土とどう違うの?
どれも独立してるの?
こんな疑問を解消します。
関係性
まずはそれぞれの国の関係性についてです。
~中国と台湾の関係性~
とりあえずざっくりとした中台関係の歴史がこちらです↓
1945年
→台湾が日本から解放され中国の領土の一部になる
1949年
→中国側の毛沢東と台湾側の蒋介石が権力争いにより対立
1971年
→台湾が国連の常任理事国から除名され、代わりに中国が任命される
1988年
→李登輝が台湾の総統になったことをきっかけに民主化や独立の動きが激しくなる
2008年
→馬英九が台湾の総統に就任。中台関係の改善、台湾経済の促進のために中国との結びつきを強める
このように台湾は今のところ完全なる独立国もしくは中国の一部とも言えない非常に微妙な立ち位置にいます。
台湾人の間でも独立を求める人もいれば、中国と統一したほうがいいという人もいます。
~中国と香港・マカオの関係性~
中国には一国二制度という制度があり文字通り1つの国で中国本土とは違う制度をもつ地域の存在を許すということです。
この本土とは違う体制を取り、ある程度の独自の自治権を認められている地域が香港とマカオであり、中国の特別行政区に指定されています。
なので香港とマカオは独立した国ではないですが地域特有の文化や制度を有しています。
例えるなら、本社とは社風の違うグループ会社といったところでしょうか。
ここからは4つの地域それぞれの違いについてみていきましょう!↓
統治国
台湾・香港・マカオのそれぞれが他国から統治されていた過去をもっています。
台湾 | 香港 | マカオ | |
統治国 | 日本 | イギリス | ポルトガル |
期間 | 1895年~1945年 | 1842年~1997年* | 1849年~1999年 |
~台湾~
1895年 日清戦争の後、下関条約において当時の中国から日本に割譲される。
↓
1945年 第二次世界大戦後、ポツダム条約において日本から中華民国に返還。
~香港~ (*1941年~1945年の間は日本による統治時代 )
1842年 南京条約によりイギリスに割譲される。
↓
1941年 太平洋戦争において日本による侵略を受ける。
↓
1945年 第二次世界大戦終結。日本敗戦。
↓
1997年 正式にイギリスから中華人民共和国に香港島が譲渡される。
~マカオ~
1849年 ポルトガルがマカオの行政権を中国から奪取
↓
1999年 正式にポルトガルから中華人民共和国にマカオの行政権が移譲される
通貨
中国 | 台湾 | 香港 | マカオ | |
通貨 | 人民元 | ニュー台湾ドル | 香港ドル | マカオ・パタカ |
人民元(中国)・・・中国の中央銀行である中国人民銀行が発行している通貨。非公式ではあるが香港やマカオでも使われている。
(1元=約15.7円 2019年7月現在)
ニュー台湾ドル(台湾)・・・1949年より中華民国中央銀行から発行されている通貨。
(1ニュー台湾ドル=約3.48円 2019年7月現在)
香港ドル(香港)・・・香港特別行政区の法定通貨。非公式ではあるがマカオでも使われている
(1香港ドル=約13.9円 2019年7月現在)
マカオ・パタカ(マカオ)・・・1905年から大西洋銀行により発行される。1983年より1香港ドル=1.03マカオ・パタカに固定
(1マカオ・パタカ=約13.5円 2019年7月現在)
言語
中国 | 台湾 | 香港 | マカオ | |
言語 | 中国語 | 中国語・台湾語 | 広東語・英語・中国語 | 広東語・英語・中国語 |
中国・・・中国本土のほとんどの人は中国語(北京語・普通語)が話せます。加えて、場所によって地域独自の方言があるためそういった方言も喋れる方も多くいます。
〇方言といっても全く別の言語のように聞こえます(笑)
台湾・・・台湾での主流の言語も中国語(北京語・普通語)です。台湾語も存在していて、この台湾語はなんとなく中国語と似ている音もあるけど全体的に見るとけっこう違う言語に聞こえます。
〇若者→中国語、お年寄り→台湾語 を話す傾向が高いと思います。
香港・・・広東語・中国語→英語の順で話せる人が多いです。学校の授業では中国語と英語どちらも勉強するのでとくに若い人は3つとも話せる人が多いです。
マカオ・・・広東語・中国語をメインに話します。英語が喋れる人も一定数います。ポルトガル語は意外にも話せる人はあまり多くないそうです。
漢字
中国 | 台湾 | 香港 | マカオ | |
漢字 | 簡体字 | 繁体字 | 繁体字 | 繁体字 |
簡体字(Simplified Chinese)・・・中国でよく使われています。文字通り、従来の漢字を簡略化した漢字です。中国以外にもシンガポールやマレーシアでも使われています。
繁体字(Traditional Chinese)・・・台湾、香港、マカオでよく見かけます。上記のように簡略化されずにそのまま残った従来の漢字が繁体字です。
簡体字と繁体字の例として以下のようなものがあります。
~ 簡体字→繁体字 ~
爱→愛
乐→樂
学→學
こうして見ると、簡体字のほうがよっぽど簡単ですね(笑)
通行区分
中国 | 台湾 | 香港 | マカオ | |
通行区分 | 右側 | 右側 | 左側 | 左側 |
~中国・台湾~
中国と台湾は日本と違い右側通行です。実は右側通行が世界の主流であり150以上の国と地域で右側通行が採用されています。
以下の画像は通行区分を色別に分けた画像です↓
御覧の通り、赤である右側通行が大半を占めています。
~香港・マカオ~
香港とマカオは日本と同じ左側通行です。左側通行の国としてイギリス、オーストラリア、インド、南アフリカ共和国などが挙げられます。
香港はイギリス領であったためその名残が現在の左側通行になった要因だと思われます。
ネット規制
中国 | 台湾 | 香港 | マカオ | |
ネット規制 | あり | なし | なし | なし |
~中国~
中国本土では政府による取り締まりが強く、インターネット規制が厳しいという話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
その厳しさも思ったよりもすごく、基本的に中国が提供するサービス以外使えないと考えたほうがいいです。
中国で使えるサービス例:
- 百度(Baidu)検索
- テンセントQQ
- 微信(Wechat)・・・LINEのようなもの
- 微博(Weibo)・・・Twitterのようなもの
中国で使えないサービス例:
- Google検索
- Gmail
- Yahoo検索
- LINE
こうして見ると、日本人にとってはどれも無くてはならないサービスばかりですよね(笑)
※もしこれらのサービスを使いたい場合はVPN(バーチャルプライベートネットワーク)を利用する必要があります。
↓
VPNとは仮想のネットワーク空間のことであり、これを利用すれば日本やアメリカなどの海外のIPアドレスを取得することができます。
~台湾・香港・マカオ~
台湾、香港、マカオは中国本土とは違い厳しいインターネット規制はありません。
上記で挙げた中国で使えないサービスもすべて使うことができます。
ただ、そもそも海外からのアクセスを禁止しているサービスである場合、当然閲覧できないものもあります。
おわりに
いかがだったでしょうか。
今回は中国・台湾・香港・マカオについてのそれぞれの関係性と違いについて解説しました。
この記事で紹介した「違い」以外の違いもまだまだあると思いますが、主要なものを挙げてみました。
この記事がすこしでも役に立てれば幸いです!
それではまた♪
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